娘の誕生日に

昨日は娘の16歳の誕生日でした。

娘の誕生日に、いつも思い出す出来事があるのですが、今年は感慨ひとしおでした。


娘は5歳の時に重い肺炎で入院しました。
小児病棟にはたくさんの母親たちが泊りがけで付き添っていました。
妻も娘に付き添っていたのですが、2日目に妻も熱を出して寝込んでしまいました。
そのため、僕が仕事を休んで付き添うことに。
結局そのまま3週間、仕事を休むことになります。

娘は身体が小さかったので体力がなく、病気になると一気に衰弱してしまいます。
高熱が1週間続き危険な状態でしたが、その後急に熱が下がり食事が摂れるまで回復しました。

「ママは?」

妻の熱もなかなか下がらず(妻も肺炎だったことが後日判明)、当面会えない事を伝えると、娘はベッドの上に座って、何時間も窓の外を眺めていました。
母親の姿を探していたのかもしれません。

病院の食事は、子供も大人と同じメニューでした。
娘は、今度こそ!っと期待を込めて勢いよくフタを開けるのですが、開けるたびにガッカリ。

注射も点滴も大嫌い。
ご飯は美味しくない。
ママにも会えない。
お父さんは好きだけどもう飽きた(笑)  ※うちは「ママ」と「お父さん」なんです。

「つまんな~い!!」

とは言いませんでしたが、明らかにそんな態度をすることは度々ありました。

やがて、娘は絵を描きまくるようになりました。
スケッチブックは2日に1冊ペースでなくなります。
元々絵を描くのが好きでしたが、何かに取り付かれたように描いては、いろんな人にプレゼントするのです。
看護師さん、同室の子、その親、お見舞いに来る人・・・
病院の中で自分の役割りを見つけたかように。

そのことが彼女の負けそうな気持ちを支えたのでしょう。
絵を描くようになってからは落ち着きを取り戻していきました。


入院から約2週間して、ようやく退院の日がやってきました。
手続きも、着替えもすませて、靴を履き、同室の皆さんに「バイバイ」と手を振ったその瞬間です。
娘は床に大量の嘔吐をしてしまったのです。
そこにいた担当の看護師さんもビックリ。

診断はインフルエンザでした。
退院したい一心で、いい子にしてたのだろうと。
インフルエンザの症状も、精神力で抑えられていたのかもしれないと。
退院できないことを告げると、娘の泣き声は病棟中に轟きました。
泣きながらみるみる高熱が出てきて、そのまま寝込んでしまいました。

早く家に帰りたかったんだよね。
ママに会いたかったんだよね。

結局、もう1週間入院生活を続けた後に退院しました。


数年後、娘から「あの時はありがとう」と言われ、泣かされました。
そして、意外なことも聞かされました。
あの時、いい子にしていたのは、妻や僕が疲れていくのを見たくなかったから頑張ったと。
ああ・・・あの時の号泣には、そんな意味があったのか・・・
僕は、幼い子にそんな想いをさせてしまっていたのか!

たしかに、僕はいっぱいいっぱいでした。
精神的にも、体力的にも、社会的にも・・・
それを娘には気づかれないようにしていたはずなのに・・・


今春、娘は公立高校の美術科に進学しました。
あの時自分を支え、周囲を支えた「絵」が、今も彼女を支えています。
これからも彼女を支えていくのでしょう。


やさしい娘よ!
いつの日か、キミの絵の力でたくさんの人を幸せにできたらいいね。
僕は、キミのファンクラブ会員ナンバー000001だよ!(^_-)


HAPPY BIRTHDAY!


 

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