おかいり~(前篇)

年度末・・・
今年度の有終の美と、来年度の好スタート。
この双方を叶えるために社会人に与えられる凝縮された日々。

売上、経費、利益、人員、事業戦略・・・
それぞれ今期の分と来期の分。
他部署との調整や幹部への説明など社内向け業務と、マーケットへの布石や牽制など社外向け業務。
ルーティンに上乗せされる重たい業務たち。
身体的にも精神的にも追い込まれていく。

電脳な猫も度々フリーズを起こしながら、家にも帰れないぜイエーイな日々を送っていた。
そんな2月上旬、事件は起きた。

朝イチのWEB会議のために着席した瞬間、腰から背中にかけて違和感を感じた。

「うっ・・・ちょ、ヤバいかも。。」

部下にそう言うと中腰のまま固まった。
動いても痛みに変化がないのでギックリ腰ではなさそうだった。
じゃあ何?
この鈍い痛み・・・尿路結石か!?
そう思い立つや、近所の泌尿器科へ急いだ。
自動ドアが開くと受付のオニャノコが胸に、いや、目に飛び込んだ。
その、そのオニャノコがぁ!
まるでゆ、ゆかちゃんがの、のっちヘアにしたような神姿ジャマイカ!
(*´∪`*)ハニャ~ン
痛みを忘れてゆかっちをガン見していると、彼女は微笑みながら声を掛けてきた。

「今日はどうされましたか?」
「まだされていません!これからどうされても構いません!」
「はぁ?」
「(*´∪`*)ハニャ~ン」
「ヒィィッ!ヽ(゚Д゚;)ノ゙」
「あ、ちが、腰が痛くて来たんですよ」
「・・・ではこちらの受付票に記入をしてクダシャイ!!」
「は~いヽ(*´∪`)ノ゛」
「・・・( -_-)」

受付票を提出すると、ゆかっちのキュートな唇には似合わない暗黒の言葉が発せられた。

「診察まで1時間半ほどお待ちいただきますけどどうされますか?」
「い、1時間半!」

腰の痛みが拍動し、気が遠のいていく。
ゆかっちが膝枕してくれるのなら何時間でも待てるのだが・・・
もちろん変態丈で膝枕(゚∀゚)!!
いや、そんなオプションには保険が利かないジャマイカ!

横になっていないと辛いので、診察時間になるまで一旦会社に戻って待つことにした。
職場の片隅にあるベッドの上で、楽な姿勢はないかといろんな体位を試した。
ゴロゴロと転がり続ける猫。
職場の連中には見慣れた光景。
「またか・・・」と、無関心な空気( ̄∀ ̄;)

結局、楽な姿勢など見つかりはせず、いよいよ我慢の限界がきた。
何が原因か解らないため、プロの見立てが必要だった。
一番近くにいた部下に声を掛けた。

「Oくん・・・」
「はい!」
「救急車を呼んでくれたまえないかな?」
「え!かしゆかの妄想が止まらないんですか!?」
「ち、違う!腰が痛いんだよ」
「そ、そうだったんですか!気付かずにすみません!今呼びます!」

119番してから待つこと15分。
救急車のサイレンが遠くからミルミル近づいてきて会社の前で止まった。

搬送用のストレッチャーに乗せられると、職場の全員に取り囲まれた。

「大丈夫ですか?」
「頑張ってください!」

僕は目を細めて応えた。

「地球か・・・なにもかも皆懐かしい・・・」

僕がガクっとうなだれると、救急隊員が冷やかに言った。

「もういいですか?」

そうして、万歳三唱に見送られながら僕は救急車に格納された。

救急車の中では、3人の隊員が大議論を開始した。
この猫ヤローの痛みの原因はいったい何なのか。
どの専門性が高い病院へ連れて行けばいいのか。
内科?外科?整形?循環器?
痛みの場所や種類、バイタル、既往症の確認を何度もしながら2つの病院とやり取りをしていた。
結局、救急車が発車したのは乗車してから30分後だった。

病院に着くと、救急治療室で再び痛みとバイタル、既往症の確認が行われた。
そして造影剤CTを撮影することとなった。
実は、この医師の判断がファインプレーだったのだ。

撮影後に医師から告げられた。

「猫さん、痛みの原因が判りましたよ」
「はい」
「大動脈解離といって、大動脈が割けているんです」
「にゃに~!?((( ;゚Д゚))」
「心臓血管外科の専門病院に連絡しましたから、このまま救急車で転院してもらいます」

3層構造になっている大動脈の一番内側の膜が解離して、そこに血液が流入して割けているらしい。
腰の痛みから大動脈解離を疑って検査をしたこの医師の判断を、後日猫のかかりつけ医は大賞賛していた。

かくしてこの日2度目の救急車で、心臓血管外科で有名な病院へ向かったのだった。


つづく。




cat nyuin

早くなんとかして~~






 

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