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シリコンヴァレーの女神

転機は東京ドームだった。


大箱に弱いPerfumeが、東京ドームで大成功を収め、その後スムーズにワールドツアーに乗り出せたのは、影で支えた凄腕の人々がいたからだった。
シリコンヴァレーの技術者たちである。


最先端の技術者たちには、共通の悩みがあった。
それは、”発明や技術革新は人間を堕落させる”という後ろめたさだった。
発明や新技術を世に送り出す度に、人間は最小限の努力で多くのものを手に入れられるようになってきたが、その代償として、身体能力や精神力は退化し、感情までもがデジタル化されていくパラドックス。
自分達は人間の可能性を切り開くために技術革新を担ってきたのではなかったのか?


技術者たちのそんな心の悲鳴に、やさしく手を差し伸べたのがPefumeだった。


”最先端”と”ヒューマニティ”の共存を実現しているPerfume。
彼女達の成功する姿は、彼らの疑問に対する力強い答えとして、やがてシリコンヴァレーのシンボルとなっていった。
Perfumeが、未来を創る技術者たちの心の支えになっていったのである。


Perfumeが東京ドームに挑戦するというニュースは、シリコンヴァレーに衝撃を走らせた。


「なんとしても失敗させるわけにはいかない。」


いまや、Perfumeが失敗することは、技術者たちが否定されることを意味する。
彼らは企業の壁を超え、東京ドーム公演の成功を誓い合った。
そして世界各国のシリコンヴァレーに向けて発信した。


「技術者たちよ!僕らの名誉と誇りにかけて、Perfumeを世界最高の技術で支えよう!」


各国からは続々と賛同の返信があった。
本家シリコンヴァレーのサンタクララに、有志によるグローバル本部が立ち上がり、日本との折衝が始まった。
最先端の技術が無償で提供されるわけだから、日本サイドに断る理由はなかった。
研究費用と資材費として集まった資金は、100億USドルを超えた。
協賛企業と、世界中の技術者個人からの協賛金がメインだった。
専門分野ごとにグルーピングされた技術者たちには、適切なテーマが割り振られた。
音響、映像、サイン、照明・・・
考え付く限りのアイデアが集積され、次々と解決していく課題。
どの席にいてもPerfumeの立体映像が目の前に現れる技術も導入され、技術面でも世界の注目を集めた。
ドームを世界一の巨大ライヴハウスにすべく準備は着々と整っていった。


シリコンヴァレーに本社を置く巨大検索エンジン運営企業が、プロモーションを担ったのは効果が大きかった。
この世界規模の技術者たちの挑戦を、なんとNETによって世界に実況したのだった。
これによって「頑張れ技術者たち!頑張れPerfume!」と、世界中の人々が注目する一大ムーヴメントとなった。


こうして、客席に外国人が多い、いつもと違った趣の東京ドーム公演は大成功に終わった。
世界中の人が成功を喜び、技術者を讃え、Perfumeを讃えた。
設備の所有権及び技術の知的財産権は、全てPerfumeに譲渡された。
ここに、Perfumeにしかできないライヴスタイルが完成したのだった。


さあ、世界がPerfumeのライヴを待っている!

***

東京ドーム公演の興奮覚めやらぬ11月5日。
サンタクララのグローバル本部では、大祝賀会を兼ねた解散式を終え、幹部技術者が事務所をたたむ作業をしていた。
技術者のひとりが、狭いエントランスに3人の女性の姿を見つけた。
すぐに10名ほどの幹部技術者が出迎えたが、彼女達を見た瞬間に息をのんだ。
3人の優しい笑顔はこれまで見たこともないような神々しさだったからだ。

やがて彼女達は、無言のまま、ゆっくりと、そして深々とお辞儀をした。

その彼女達の足元には、大粒の涙が後から後から降り注いだ。



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この物語はフィクションであり、鳴り物入りでP文学界デビューを果たしたPPPHIVEさんの処女作「11・6・4・47」の裏話という形で創作しました。
尚、「P文学」とは、Perfumeを題材にしたフィクションのことで、ngo900jpさんが名付けたものです。文学であることが前提なのですが、僕のものが文学に値するものか否かはご判断にお任せします(汗)

※同様のフィクションがお好きな方は、左上の「電脳猫の作り物」のどれかをポチッとしたらいいかも(笑)





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コメント

ありがとうございます!
こんなに早く次のを読めるなんて思ってなかったから嬉しいです!またまた号泣しました…ある箇所で…なんでこんなの書けるんですか?すごすぎです!なんか、表現力もですけど、流れでしょうか?涙腺を刺激するツボをバッチリ押さえられてる気がします。あと、最後のところがとてもPerfumeらしくて好きです!あったかい余韻が残ります。
次も期待してます!
どこまで
広がるんでしょうか?(笑)
なんかサイバーパンク小説のような様相を呈してまいりました(^^)

新技術が人を退化させる・・・それをPerfumeがくつがえす!
この発想はよいですね! 感動しました!
何度か
コメ入れたんですが何故か「スパム」扱いに・・・(泣)
つたない妄想取り上げて頂き申し訳・・・です。
僕の妄想はこれにて絶筆かも(笑)
>ゆかにゃんさん
コメントありがとうございます^^

気に入っていただけて嬉しいですが、すごすぎはしません(笑)
ただ、おっしゃるように”Perfumeらしい”部分をクローズアップさせたいなぁとは思っていますので、そう感じていただけたのはとても嬉しいです。
あまり期待されても困りますが、ちびちびやっていきま~す^^
>ロボトリアさん
コメントありがとうございます^^

>どこまで広がるんでしょうか?(笑)

そろそろ一段落つきそうですね。
ちょうど一週間ですし、皆さん寝不足ですし、ギヴ宣言もちらほらですし。
まあ、これまで通り時々うpしますので、よろしければお付き合いください(^_-)
No title
ファンの応援のみならず、今度は技術の粋を集めるところまで来たんですね。切り口が斬新です!

こうなったら産学官連携プロジェクトを結成し、研究機関からの技術移転、官による補助金助成や海外への紹介事業などもすすめたいところです。
>PPPHIVEさん
コメントありがとうございます^^

ええ!もう絶筆ですか?もったいないですぅ。ロマンティックな文章でもっと感動させてください!
でも、PPPHIVEさんはただでさえ濃い記事を書かれているのに、こんな遊びまでやると寝不足になるのは理解できます(汗)
時々でいいのでお願いしますm(_ _)m
>ngo900jpさん
コメントありがとうございます^^

>産学官連携プロジェクト・・・

おお!特に「学」のところでビビッときてしまいました!
アイデアをありがとうございます(^^)/

No title
しかし、全方位対応できる方ですね。話の持ってき方最高です。
この妄想力の強さは誰も勝てません。
electrocatさん、電池食べてるでしょ!それかコンセント?24時間動いてるとしか思えない。
じゃなきゃ方々の妄想ブログに続きをコメントすると同時に、自分のブログまで更新出来ませんよ、普通。
素晴らしいです。
本当に世界が広がっています
技術者達が作った最高のステージを思う存分
『歌い!踊り!最高に楽しむ!』 3人!!
その技術から生まれる最高の一体感!
熱狂の渦を作り出すしながら、3人とスタッフ
会場に参加したファン、そして参加出来なかったファン!
多くの人たちに技術の革新が人にとって優しいものであると
刻み付けるストーリー!!!
最後の締めくくりがとてもPerfumeの3人らしくて
感動が収まらなくなっています(涙)
electrocatさんの生み出す作品に脱帽です!
>GAME-edge_潜行中さん
コメントありがとうございます^^

そこは電脳猫ですから(笑)電気で動きます(^_-)
でもね、正直眠いです(;^_^A
GAME-edge_潜行中さんの妄想はいつもリアルでドキドキします。妄想強化週間もそろそろ落ち着きそうですが、これからも期待していますよ~(^_^)
>はぜまるさん
コメントありがとうございます^^

すごい!僕が伝えたかった事を全部読み取っていただいてる(◎-◎;)嬉しくてにゃんにゃんにゃーん♪まあ、所詮妄想ですので(;^_^A「Perfumeらしさ」と「Perfumeを支える者らしさ」。ライヴで、その間で気持ちのやり取りが行われるのも、パフュのライヴがすばらしい理由のひとつだと思います。そういう事を感じさせる文が書けるように精進します(^_-)
拝読いたしました
先生!此処までいっちゃいますか!!?
(お互いに先生呼ばわりはこの辺までと云うことで…)

P文学…ホン~とに言い得て妙です。
FANに此処までさせちゃうPerfumeって…

作家陣(?)の皆さん念の為に「妄想」って書いておられるけど大筋で書かれていることは成就させちゃうんですよ彼女達は…たぶん♪
すごいなぁ~
シリコンヴァレーまで話を持っていきながら、最後は「これぞPerfume」というところに落ち着かせる。さすがです。MIKIKO先生の振り付けのよう。芸術です。

妄想強化週間も終わりですかね?GAME-edge潜行中さんのところの「続き」の続きを書かないと・・・^^
>DD-Ayanamiさん
コメントありがとうございます^^

DD-Ayanamiさんの厳しいプレッシャーと闘いながらあげました(笑)
ご指摘の通り、今回は話を大きくしすぎて、少々リアリティーがないんだよ状態ですm(_ _)m

ただ、IT関連企業にはパフュにはまる方も多いような気がしています。

>FANに此処までさせちゃうPerfumeって…

そこ、僕も最近思うんですよ~!
他のアーティストやアイドルのファンって、こんな妄想をするもんなんでしょうかね~^^;
パフュファン独特の現象なのかも知れません(笑)
>噛みの子さん
コメントありがとうございます^^

気に入っていただけて嬉しいです(*^_^*)
続きの続き、読みましたよ~^^

あとでそっちにカキコに行きま~す!
遅ればせながら
拝読させていただきました。
既に皆さんそれぞれ的確な賞賛のコメントをされていますので、今更付け加える言葉もございません。
ただ1点”どの席にいても立体映像が目の前に現れる技術・・・” が妙にリアリティたっぷりですね。ライブ会場でこれが実現したら、その時のお客がどういう動作をしているか?・・・想像するだけで楽しいです(笑)
>パッチンマブロ さん
コメントありがとうございます^^

>”どの席にいても立体映像が目の前に現れる技術・・・” が妙にリアリティたっぷりですね。

こういうの夢なんですよ~^^
パフュがきっかけで新技術の実用化が進むといいなぁという思いもあってこういう内容になりました。

>その時のお客がどういう動作をしているか?・・・想像するだけで楽しいです(笑)

これ、ツボりました!(笑)僕も想像してみたらニヤニヤが止まらないw

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