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ブレス音とヤスタカの想い

歌は、最初に思いっきり息を吸ってから歌い出します。
歌っている最中も、当然息継ぎ(ブレス)をしながら歌います。


しかしこの呼吸音(ブレス音)は、レコーディングされると耳障りなため、一般的には”ノイズ扱い”で、できる限りマイクで拾わないようにポップガードを付けてレコーディングします。

ポップガード
ポップガード。マイクの前に設置します。

ただし、歌の上手い方は、このブレス音でも感情を表現します。
ライヴやTVの歌番組によっては、その妙が味わえます。
また、レコーディングでも敢えてこのブレス音を入れることで、より深い表現をしたり、人間味や臨場感を付与することがあります。


さて、われらがPerfumeの場合、ヤスタカ風のレコーディング方法では、このブレス音は敢えて付け足している可能性が高いです。
だとすると、ブレス音が入っている、または強調されている場合、そこにはヤスタカの意図があるという事です。
しかも大変な手間をかけてブレス音を入れているはずです。
歌うメンバーのブレス音声を選び、ブレスの深さや長さなどを、リアルなタイミングで、歌い出しや歌い終わりにイチイチ
挿入するわけですから・・・


『VOICE』の歌いだしで大きく息を吸い込んでいる音が聞こえますよね。
こんな大きなブレス音を敢えて入れてくるのはなぜでしょうか。


次の表は、Perfumeがメジャーデビューしてから最新曲までの、シングル曲のブレス音について調べたものです。

ブレス 


「最初」というのは、歌いだしで息を吸い込む音、「途中」というのは、歌の途中で息継ぎする音です。

これを見ると次の点に気づきます。

1.『ポリリズム』以前は、ブレス音を強調していないのに対し、『Baby cluising Love』以降はブレス音を強調している(例外もあり) 。

2.曲(歌詞)によってブレス音を効果的に使っている。


(ポリリズム以前)
近未来三部作に代表されるように、創られた世界観を歌っている曲が多いのが特長です。
そのため、極力人間味を排除するために、ブレス音も強調しなかったのだと思われます。

ただし、『コンピューターシティ』は例外で、歌詞の性格上敢えてブレス音を強調しているように思います。
コンピュータが感情を持ってしまう歌詞ですから、少し人間臭く・・・ニクイ演出ですね。

また、『エレクトロワールド』で歌い出しだけでブレス音が強調されているのも、”世界の仕組みに気づいてしまった僕”の人間味を表現しているものと思われます。
PVの冒頭で、眠っているメンバーがブレス音とともに目を覚まして歌いだすのがそれを裏付けているようです。

(Baby cluising Love以降)
創られた世界観から、人間の内面を歌う曲に変化してきます。
メンバーの息づかいが聴こえることで、聴く者の感情にストレートに訴えかけます。

特に切ない『Baby cluising Love』と『不自然なガール』は強烈です。
『Baby cluising Love』は、なんと最後もブレス音で終わることで、全てを吐き出した後の決意のようなものを感じます。
『不自然なガール』は、もう、あのかしゆかソロを聴けば説明は要りますまい。

そして『VOICE』です。
その歌詞にあるように、最初から声の存在感が見事に表現されています!



最後に・・・
ブレス音が強調されていない初期の曲でも、ヤスタカは控えめながらちゃんとブレス音を入れています。
三人の人間らしい部分を敢えて残しているんです。
感情を抑えて歌うように指示しながらも、彼女たちの声や息づかいに愛情を注ぎ、大切に大切に扱ってきたヤスタカの想いを感じ涙がこぼれました。





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コメント

すごすぎです
メロディーじゃないところを読むなんて、息を吸い込む音からこんな記事を書いてしまうなんて、深すぎです。やはり専門知識を持ってらっしゃると凡人には見えないものが見えるんですね…もっと勉強しておくべきでした(^o^;)
最後にちゃんとじーんとさせるあたりが電脳猫さんらしいです(^~^)
かくし味
敢えて付け足しているんですか。音量の強弱で調節しているのかと思ってました。
教えてくれてありがとうございます(^^)

ブレスは色気、健気さ、ひたむきさ、懸命さなど様々なメッセージを、
それとは気付かせずに挿入できるスパイスのようなものですね。
さすがおいしいレシピのシェフ、ヤスタカです。
なるほど
つけ加えているんですね。驚きました。てっきり、ポップガードをつけていない声をそのまま拾って、
「味」としているのかなと思っていました。普通に録ってたら、そこまで音は聞こえないものなんでしょ
うか?それにしても電脳猫さんの目の(耳のですね)つけどころが上手いですねぇ。今回も興味深く
読ませて頂きました。個人的には「BcL」と「マカロニ」のブレス音が印象に深く残っています。
MIKIKO先生
ヤスタカ氏のブレスに対するこだわりには以前から私も興味をもっていたので、いつかその辺りをインタビューしてほしいです。

「Baby crusing Love」は特にブレスが強調されている曲ですが、MIKIKO先生もそれに呼応して振付においても曲中および曲末に呼吸を強調しており、強烈にブレスが印象に残る曲になっていますね。
>ゆかにゃんさん
コメントありがとうございます^^

>すごすぎです
とんでもないです(汗)ちょっと気になっただけですので・・・

事実確認のために、ヤスタカの制作現場をいつか見てみたいです(^^)/
>ロボトリアさん
コメントありがとうございます^^

音声をひとつの楽器(音源)として扱っていますから、声の部分とブレスの部分は別になってしまうと思います。
ただ、実際に見たわけじゃないので断定はいけないと思い、記事の表現を少し柔らかくしました。
気づかせていただいてありがとうございます。

>ブレスは色気、健気さ、ひたむきさ、懸命さなど様々なメッセージを、それとは気付かせずに挿入できるスパイスのようなものですね。
おっしゃる通りですね(^^)/
特に色気や懸命さは伝わりやすいと思います。
僕も職場でいっぱいブレスすれば懸命さが伝わるでしょうか(笑)
>runrun1006さん
コメントありがとうございます^^

音声を音源として使用する場合、ブレス意外にもノイズはできるだけ排除したいため
やはりポップガードは使用すると思います。
ただ、ブレス部分はポップガード無しで録っているでしょうから、それらをあとで組み合わせるわけです・・・たぶん。ただ、最近の曲は録り方を変えている気もします。

BcLは大きなブレスで始まって、大きなブレスで終わります。この曲が一番顕著ですね~
マカロニは、あまり重くならないように軽めのブレスが入っていますが、それがリアルでヤヴァイわけですが(*^_^*)
>ngo900jpさん
コメントありがとうございます^^

そうなんです!ぜひブレスについてのインタビューをして欲しいんです!
ブレスばかりを集めて妙な楽しみ方をしていないかも聞いておかないと(笑)

MIKIKO先生にはBcLのブレスの意味を伝えてるんでしょうか?
それともMIKIKO先生が自らの感性で、このブレスのこだわりを感じ取ったのでしょうか?
そのへんも気になりますね^^
目の付け所が違いますね
確かに抑揚を押さえて歌うように指示しながらブレスを効果的に入れてる
神ヤスタカの完璧な計算にはただただ脱帽です。
それに気が付くelectrocatさんの洞察力も凄すぎ!

ブレス音はヘッドフォンで聴くとホント3人を近くに感じれてヤバイんですよね。
>はぜまるさん
コメントありがとうございます^^

>ブレス音はヘッドフォンで聴くとホント3人を近くに感じれてヤバイんですよ
これ、かな~りヤヴァイです。
ゆかちゃんと、あ~ちゃんのが特にヤヴァイです^^;
おっと・・・
あと、定位のこだわりもすごいですね!
完璧な計算なのか、計算なき感性なのか・・・(^_-)
深い
ブレス一つとっても掘り下げますね~
その探究心見習わなければ…

自分も歌いだしのブレス音は気になってましたけど
「あの声に反して人間っぽさを出すためかな~」と浅~く考えてました。
興味深いエントリーで楽曲を違う視点で楽しめそうですね
個人的にブレスがあるとニヤりとしてしまいます
>mtstさん
コメントありがとうございます^^

>「あの声に反して人間っぽさを出すためかな~」と浅~く考えてました。
ぜんぜん浅くないですよ!その通りだと思います。
そこにこだわるのは、僕ではなく、ヤスタカが深いんです^^
「気づくかな~」なんてニヤニヤしてる彼の顔が思い浮かびますよね(笑)
>名無しさん
コメントありがとうございます^^

>個人的にブレスがあるとニヤりとしてしまいます
実に名無しさんらしい変態ちっくなコメント、嬉しい限りです(笑)
そのへんのツボは、僕も名無しさんとかな~り近い気がしています^^;

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