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時代の申し子

テクノアイドルはこれまでもいた。
しかしPerfumeはこれまでのテクノアイドルとは明らかに違う。

これまでのテクノアイドルは、次のような目的でテクノポップを”使っていた”ように思う。
 ・方向性の模索
 ・話題性の付与
 ・異色キャラクターの増幅

あくまでアイドルが主体で、その道具としてのテクノポップ。
アイドルの括りの中のテクノポップ。


それに対してPerfumeは、テクノポップ本流の先頭で進化しながら新たな歴史を刻んでいる。
テクノポップの括りの中のアイドル。


しかし、環境の変化によるフォローの土壌と、中田ヤスタカの先見性がなかったらPerfumeの成功もやはりあり得なかった。


90年代~00年代前半のJ-POPにおいて、テクノポップに大きなムーブメントはなかった。
という事は、80年代の隆盛以降、20年ほどのブランクが出来た事になる。
その間に次のような環境の変化が起きた。
 ・技術革新によりPCおよびNET環境がパーソナル化した。
 ・バーチャルがヒューマニティを備え、居住権を得た。
 ・CGM ※1が急速に発達し、UCC ※2が溢れるようになった。
 ・テクノアイドルを新鮮に感じる世代が購買層のウエイトを占めてきた。
 ・テクノポップ隆盛期世代がムーブメントを求めていた。
 ・テクノポップ隆盛期世代がマスコミ業界で決定権を持つポストに付きだした。


ゲームのキャラやバーチャルアイドルがヒューマニティを持ち、バーチャルが現実のものと同等の扱いを受ける。
これは、バーチャルと現実の乖離が全くなくなったわけではなく、人間の補正能力が上がったことによる歩み寄りが引き起こしている現象だと言われる。
人間の補正能力が上がった理由はやはり”欲求”だろう。
サイバースペースに住み、バーチャルな人間、またはバーチャル化された人間と交流する・・・
バーチャルに一種のユートピアを求めるその欲求は、すでに満たされ始めている。
仮想と現実の間を、誰でもまたいで通れるようになり、無機と有機の融合が起こった。


このタイミングで入ってきたPerfumeなのだ。
「近未来」をテーマにした、バーチャルと現実の中間的なコンセプト。
バーチャル派にも、現実派にも入りやすい入り口を示された。
cuteで人間味溢れるアイドルが、ロボット声でホンモノのテクノポップを歌い、cool&cuteなロボットダンスを踊る・・・
そんなPerfumeは、ミスマッチではなく「新鮮」と受け入れられた。
そして、バーチャルから実在への回帰が起きた。


時代のひとつの流れを作っている中田ヤスタカだからこそ、この絶妙なタイミングを感覚で察知したのだろうか。
攻める楽曲は確信犯の証だ。
また、テクノポップ(無機)とPerfumeらしさ(有機)を融合する意味でもMIKIKOのダンスは重要な要素となっている。

脚本:中田ヤスタカ
演出:MIKIKO
女優:Perfume


時代はこの演目を待っていた。 

 

※1 CGM:Consumer Generated Media
     消費者生成メディア(ブログ、SNS、クチコミサイト、知識サイトなど)
※2 UCC:User Created Contents
     ユーザー作成コンテンツ、ユーザー制作コンテンツ

※注 このエントリーは、ひとつの視点をクローズアップしたものにすぎない。


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コメント

ナイスな分析
これまでのテクノ・ポップを用いたアイドルは、テクノ・ポップについて借物的であったというところと、テクノポップ隆盛期世代がマスコミ業界で決定権を持つポストに付きだしたというのがムーブメントの背景にあるという指摘は私も以前から思っていたところで、激しく同意です。

しかし、UCCは「飲むんだったら・・・」の方しか知りませんでした。カッコいいですね!今回の分析も冴えてます。
>ngo900jpさん
いつも暑苦しい文章にお付き合いいただいてありがとうございます^^;
分析というよりは勝手な解釈を言い連ねているだけなんですけどw

Perfumeブレイクには色んな要素が絡み合っているので、総論を語るのは簡単にはいきません。
色んな切り口で見てみるのが僕の楽しみの一つです^^

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