HOME>Perfume

気づかずに待っているあなたへ

※ある方のコメントに刺激され、過去記事をアレンジして作った物語です。


機内で仕事の資料に目を通しながらウトウトしてしまった。
最近はこういうことが増えた。
激務に追われ、身体が眠りの世界へ逃避しようとしているのかもしれない。

突然いい香りがして目を覚ました。
窓の外に気配を感じ、ぼんやりとした頭で外へ目をやると、なんと翼の上に人がいるではないか。
純白のドレス、頭に花冠をした3人の女の子。
裸足でステップを踏み、キャッキャと笑い転げている。
これは夢なのか?

ロングヘアの子と目が合った。
彼女は三日月ような目でクスクスと笑いながら他の2人に何か耳打ちをした。
クスクスは3人に広がった。
緩いパーマの子が柔らかい表情で私に向かって何か話している。
そしてエクボを作りながらニコッと笑うと、両手を広げて歌うような仕草をした。
ショートカットの子は何度も大きくうなずいている。
やがて3人揃って丁寧なお辞儀をすると軽くジャンプして雲の中へ消えて行った。
と思ったら、ショートの子だけは服の裾が翼にひっかかってジタバタしている。
まもなく、二人が戻ってきて彼女を救助すると、もう一度挨拶をして再び雲の中に消えて行った。


「首相、今夜は公務でコンサートの観覧がございます」
「たしか日本のグループだったな」
「ええ、Perfumeというテクノポップユニットです」
「テクノポップ?」
「国家主席から観るように指示されたものでして」
「何のために?」
「日本の文化に理解を示すことで、日本との外交を円滑に行うためと理解しておりますが」
「まあ、私は闇雲に理解を示したりはしないがね…」

ステージが始まると、あまりの爆音に耳を塞ぎたくなった。
また眠りの世界へ逃避したくなる。
主席が何を考えているのかがますます解らなくなった。

Perfumeは、特別に美人でもない華奢な女性3人組だった。
どこかで見たような気もしたが思い出せなかった。
多くの観客が戸惑っているのが判る。
この観客たちがなぜここへ来たのかが不思議に思えた。

しかしすぐに変化が現れた。

観客たちは次第にリズムに乗り、彼女たちから目を離すまいと身を乗り出していく。
洗練され、隅々まで血が行きわたったパフォーマンス。
それが一朝一夕で完成されたものでないことはすぐに解った。

それでも私は冷静に観ていた。
彼女たちは、我が国の文化に良い刺激となるのか否か。
その判断を下すのも、国を背負う者としての役割なのだ。

軽やかなステップを踏みながら笑顔でパフォーマンスを続ける3人。
何かに抵抗しているような気分になりながら観ているうちに気が付いた。

(あ!彼女たちは翼の3人だ!)

急に顔が緩むのを感じていると、次の曲のイントロでメンバーの一人が叫んだ。

「ニーハオ!チョングオーーーーーー!」

あああ…
身体が熱くなった。
涙が溢れる。
なぜだ!?
なぜ私は泣いているのだ!

頭の中がいったん空っぽになり、そこに温かいものがなだれ込んできた。
叩きのめされると同時に救われる感覚。
体内では猛スピードで再生が行われ、自分の中に”弾む気持ち”が巡っているのを感じる。
まるで若い頃のように…
気が付くと腕を振り上げ、ジャンプをし、大声で叫んでいた。
歳も立場も忘れていた。

私は確信した。
私はキミたちを待っていたのだ。
そしてキミたちは私に会いに来てくれた。

あの翼の3人は、キミたちの気持ちが飛び出した姿だったんだろう?
無意識にキミたちを求めていた私の心が繋がって、姿を見せてくれたんだね。

いや、私だけではない。
皆、泣いているではないか。
年齢も性別も、仕事も趣味も生きてきた過程も…
全てが違うこの大勢の人たちが!
みんなキミたちを待っていたのだ。

一途な想いと大きな愛に溢れたステージ。
その情熱にほだされて、誰もが心の鎧を脱いでしまう。
そこで顔を覗かせる心の真ん中は、どんな人でも同じだということなのか。
国家や言葉の垣根も、身分の違いも意味をなさない。
人として大切にすべきもの。
彼女たちはそれを思い出させてくれた。


最後の曲の冒頭で、会場を埋め尽くすたくさんの手のひらが大きな花が咲かせた。
手のひらのひとつひとつは精いっぱい指を開き、繋がろうとしている。
そしてリズムに乗って優しく、誇らしげに揺れている。
小さな願いの集まりが、大きな会場から溢れるほどのエネルギーを生んでいる。

私の手のひらもその中のひとつにすぎない。
そのことが心地よかった。


Perfumeがこの国に知れ渡るのに、もう時間は必要なかった。

***

か「あの人みたいよ・・・キミイケが似合いそう(*´艸`)」
あ「ほーじゃね!」
3「クスクス・・・」
あ「大変なお仕事ですね・・・私たちのライヴで鎧を一枚脱ぐことができたら嬉しいです(*^_^*)」
の「そうだそうだぁ!裸になっちゃえー!」
あ「♪完璧な計算で造られた楽園で ひとつだけうそじゃない・・・愛してる・・・」
か「会場でお会いしましょうね(^^)/」

の「あ…待って!あれ?あれ~!?」
あ「もう!のっちのバカちん!」
の「(T_T)」
か「失礼しました~三 (/ ^^)/」




関連記事

この記事のトラックバックURL

http://electrocat.blog113.fc2.com/tb.php/666-c14baae5

コメント

「チャイナ」じゃなく
「ニーハオ!チョングオーーーーーー!」
ってのがステキですね!
こういう発音って知りませんでした。Google翻訳で音声聞いたら確かに「中国」ってこう読むんですね。
ゆか様のJAPAN TIMESインタビューでのお話からして,彼女らならちゃんとこういう気遣いをするでしょうから。さすがネコサン細かいところに気遣いが行き届いてる。。
あ~ちゃんにも台湾との区別をしっかり学んでもらって(^_^;
ネコサンの言霊が実現することを心より祈ります。
沖縄お気をつけて行ってらっしゃいませ。
>非公然のヘタレさん
コメントありがとうございます^^

>「ニーハオ!チョングオーーーーーー!」ってのがステキですね!

ここだけはやっぱ現地の言葉じゃないとと思いまして(^^)

ゆか様のJAPAN TIMESインタビューでのお話からして,彼女らならちゃんとこういう気遣いをするでしょうから。さすがネコサン細かいところに気遣いが行き届いてる。。

>あ~ちゃんにも台湾との区別をしっかり学んでもらって(^_^;

たぶん3人共です(笑)

>ネコサンの言霊が実現することを心より祈ります。

彼女たちは、世界共通で普遍的な部分を持っています。
そこが強みだと思います(^^)/
流行り廃りじゃないんですよね。

>沖縄お気をつけて行ってらっしゃいませ。

ありがとうございま~す!
気を付けて逝ってきます(笑)
本当にお気をつけて「逝って」下さい(^_^;
有香×愛さんとかいう方への応対とか,「世界進出」で勝手に心配してたことが杞憂に過ぎないような彼女らの対応・・・
彼女らは地理には疎くても人として本当に大切な問題については決してゆるがせにしない,できない人達だとJPNツアーの様子をレポで知った今では心底確信しています。
MCの「そうでない人」の適訳はなになのか?そうでない人でない普通のヘテロオヤジの私には分かりませんが,世界のあらゆる人達の想いを受け止める彼女らの気持ちどおりにできますように。
彼女らなら絶対できると今では確信しています。
アジアの国々での伝え方も今は心配してません。普段の彼女らのままで,行き先のファンの方々の想いは当然理解できているはずですから。ああ,彼女らのような同胞を持った私たちは幸せです。顔も字も似通った近隣の友人達と支え合う未来を与えてくれるのですから。 気に入らない人,叩くならネコサンでなく私にしてね(^_^;
>非公然のヘタレさん
コメントありがとうございます^^

彼女たちが自然体でいられているなら何の心配もないですね!
今は盤石だと思います。
この先、彼女たちが自分たちを信じることができなくなるようなことがあったなら・・・
そんな社会環境は絶望的です。

コメントする

管理者にだけ表示を許可する

 

Template Designed by めもらんだむ RSS
special thanks: Sky Ruins DW99 : aqua_3cpl Customized Version】