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RIJF2013 Perfumeレポ①

辺りはすっかり暗くなっていた。
1曲目の『Magic of Love』のイントロに合わせて点灯したステージライトに目がくらむ。
しかし、その眩しさは明るさのせいだけではない。

純白に金のラインが入った衣装は、照明を浴びていろんな色に染まっていく。
分厚いサウンドとキレのいいダンスの贅沢さに観客はどうしようもなく笑顔になってしまう。
それでいて目では3人の動きを必死に追いかけている。
例の間奏部分の盛り上がりには驚いた。
MoLも、しっかりライヴを見据えて作られていることが解る。

1曲目が嵐のように過ぎ去ると、続けて『Spending all my time』が始まった。
冒頭にあ~ちゃんがシャウトした。

あ「ひたちなかーーー!Perfumeでーす!」
客「うおおおおおおおおお!」

「ただいま!」に近い常連の顔。
この馴染み方が嬉しい。



rijf st1





Samtは細かい動きと大きな動きの緩急が素晴らしい。
感情を殺したような表情だからこそ、温かい歌が切なく心に響く。
3人が同じ方向へゆっくりと歩くような振りが、大きなステージでひと際映える。
フラミンゴのように優雅なのに、挑発するような凄みがある。
会場には熱さと共に、前のステージにはなかった清涼感が漂う。
後半のブリッジでかしゆかが腕を頭上に挙げて大きく手拍子を促した。
変態丈で仁王立ち。
カッケー!
それを足元から見上げるようなアングルでモニターに抜かれると客席から低いうなり声が起きた。
ぐはぁ!

あ「ポリリズム!」
客「キターーーーーーーー!」



rijf st2





この日初めての緑のレーザーが放射線状に飛び交う。
その完璧な計算で作られた芸術に、ここが野外であることを忘れる。
目の前にいる10-FEETのファンたちが大興奮で踊りまくっている。
そして20人ほどが肩を組んで円陣を組むと、そのままグルグルと回りだした。
サークルモッシュではない。
秩序を保ちつつ嬉しさを確かめ合っているような光景だった。
その姿を見ていると涙が出てきた。
メロコア好きの観客たちをもこんなに興奮させているPerfume。
3人だけではなく、スタッフ全員がこの光景を思い描いて準備してきたのだろう。

最近のフェスではポリをセトリに入れない事も増えてきた。
しかし、ロッキンではこれまで一度も外したことがない。
この日の丁寧でキレのあるポリのダンスを見ていて、彼女たちの想いを感じた。
ポリはPerfumeにチャンスをもたらす不思議な曲。
時期的にみて、Perfumeをロッキンに結び付けたのもこの曲なのだろう。
そのことが、Perfumeの間口を広げていった。

ポリが終わると大歓声の中でMC1が始まった。

あ「ありがとうございます!改めて自己紹介します」
か「かしゆかです」
あ「あ~ちゃんです」
の「のっちです。3人合わせて」
全「Perfumeです!」
3 「よろしくお願いします!」

たくさんの観客が一緒にやったことで客席からは笑い声が起こる。

あ「すごーい!こんなに大勢でやったの初めて!」

後方からボソッとこんな言葉が聞こえた。

客「あ・・・俺もやればよかった!」

ニヤニヤしてしまった。

あ「今年から規模が大きくなったらしいんですけど、こんなにパンパンなの見たことないです!」
あ「リハの時はこのへん全部緑だったんですよ!」
客「ははは」
あ「みんなもう朝からいてチカラ出し切っちゃった感じ?」
客「ぜんぜん!」
あ「じゃあ、まだこれからやり切る感じ?」
客「イエーーーイ!」
あ「わ~かりました!じゃあ楽しませてあげましょう!」
客「うおおおおおおおお!」

あ「最初にフェスに出た時の衣装がこんな感じだったんです」

ロックフェスに最初に出る時に、3人で原宿の安い店で買った想い出の衣装。
当時は予算が一人1万3千円だったとか。
今日の衣装はそのイメージで作ったものらしい。

あ「今回は大トリを務めさせていただいてありがとうございます。
  ジャパンさんは歴史もあって、ずっと出演しているバンドさんもいて・・・
  そんなすごいフェスで私たちにこんな大役を任せていただいて・・・
  フェスではやり逃げが好きなんですけど、今回はそんなことはできない責任を感じています。  
  私たちはまだ最近出させてもらうようになったんですけど。
  最近はロックの考え方が変わってきたと思うんですよ。
  夢とか、信じるものを想い続けることなんじゃないかなって・・・
  今日も私の妹がいる9nineも出させていただいてまして、(略)
  アイドルは凄いんですよ!腹のくくり方が違いますから!」

観客は感慨深そうに聴き入っていた。
2つ前の記事でも書いたが、Perfumeがロックだと認められた功績は大きいと思う。
そこに気が付いて応援し続けた渋谷社長の力も大きいのだけど。
最初は場違い感いっぱいだったロックフェス。
そのヘッドライナーにまで登り詰めて、改めてこの現象について振替ってみたのだろうか。

あ「次はライヴで育った曲をやります。奥田民生さんもやってくれたんですよ!」
客「イエーーイ!」
あ「聞いてください。マカロニ!」
客「うおおおおおお!」

ロックの話。
その流れからすると『FAKE IT』あたりをぶちかますのかと思いきや『マカロニ』とは。
オレンジのライトを浴びながら、しなやかに歌い踊る3人。
客席はまったりと感じ入っている。
穏やかな時間。
優しい表情をしている観客たちの頬を、風が撫でていった。

奇しくも、この時にモニターに抜かれた映像が印象的だった。
それは微笑みながら柔らかく踊るかしゆかだった。
その頭上に「ROCK」と大きく書かれた看板が主張していた。

これがPerfumeなんだよなぁと改めて思う。
マカロニという曲と、かしゆかの微笑みと、ROCKという看板のシュールな取り合わせ。
でも、それを自然に受け入れてしまう。
決して媚を売らず、自分たちのスタイルを通す。
その信念がロックなのかもしれない。
でも、ロックだけでは語りつくせない。
間違いないのは、それがPerfumeなんだってこと。

『マカロニ』が終わるとステージがいったん暗くなった。
そして美しいピアノのイントロが流れた。
この段階でもう観客からは悲鳴が挙がっている。
『マカロニ』から『SEVENTH HEAVEN』への流れ。
青の照明をバックに、緑のレーザーが空間に面を作る。
そこにスモークの影が映り、3人がまるで雲の上にいる様な幻想を生み出している。
純白の衣装、雲の上、笑顔で軽やかにステップを踏む3人・・・
観客のほとんどが同じものをイメージしていただろう。

3人が楽しんでいるのは明白だった。
向き合って踊るシーンの笑顔が美しすぎて涙腺が壊れた。

そして続いたのがなんと『心のスポーツ』。
ワンマン以外では2回目だろうか。
この可愛いらしく楽しいアルバム曲に、最初は戸惑う観客もいた。
しかし、後半にはみんなが「ぐるぐるぐるトントン」をやっている。

両サイドに展開する2人をセンターで見送るようなかしゆかの愛らしい振りがたまらんすぎる。
おっと失礼。
あー!ぷくゆか炸裂~!も~ダメぇ凹○



rijf st3






ここまでのセトリのめまぐるしいことったらない。
敢えて振り幅の大きい曲たちを続けてきたようにも思える。

(私たちの全てを見てほしい!)

彼女たちは、Perfumeの全てを見せようとしているのではないだろうか。
この日の3人は「盛り上げよう」という気持ちが(いい意味で)前に出てはいなかった。
どこまでも自然だった。
ヘッドライナーになれたのは、たくさんの人たちがPerfumeを受け入れてくれたから。
それを謙虚に受け止めた上で、その人たちへの最高の贈り物は「自分たちがPerfumeらしくあること」だと。
そう思っているのではないだろうか。
もしそうなら、なんと真っ直ぐで大きいのだろう。

そんな頼もしさを感じているとあの4つ打ちが聞こえてきた。


ああ・・・ここでまた振り幅の大きなアレがやってくる。




(つづく)

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